ここ最近ずーっとバタバタしていまして、その間に山道さんの『完全定本 暦大全』が発売されました。
『完全定本 暦大全』 山道帰一 著 河出書房新社
やっと時間ができたので、拝読いたしました。
暦となっていますが、いわゆる擇日(択日)を解説した本です。
占星術でいうところのエレクションですね。
しかし、年、月、日、時の観点だけでなく、方位という空間も関わります。
山道さんの本はいつもそうですが、原典をしっかり明示してくれていまして、今回もこれだけたくさん神煞があるにも関わらず、すべてそのもとになる理論を解説してくれていて、暦、通書がどのような原理に基づいて作られているのがよくわかります。
かなり膨大な情報量ですが、すっきりまとめられて読みやすい。
ただし初学者の方はその理論を追っていくのが大変かもしれませんが。
本書から分かるように、日時を選ぶ場合、良いとされる条件がいくつもあるので、完全に良い日時というのはほぼ存在しないということです。
よりベター、あるいは悪くない日時を選ぶということですね。
このあたりは占星術でも同じです。
また擇日にしろ、風水にしろ、様々な要素からなりたっているということが分かります。
陰陽五行、易、干支、納音、九星、占星術など。
お互いが細かく編み込まれています。
本書は叢辰法(三合派)を中心に扱っていますが、この外にも三元派の玄空大卦擇日、三式、演禽などもあり、
擇日でどこまで取り入れるかによって異なりますが、広くやらないといけません。
この『完全定本 暦大全』は今のところ類書がほとんどなく、貴重な1冊になるのではないかと思います。
あと鍾進添老師の序文も素晴らしく、端的で、それでいてものすごい情報量があります。
本書は擇日を学ぶには必読書になると思います。
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